2019年7月25日木曜日

デスク席から(58)「円熟の芸をじっくりと」


16回目の開催を迎えます。落語会「文治まつり」。
四日市で没した桂派の祖・初代桂文治(1816年没)を称える落語会で、四日市市出身の桂福団治さんや三重テレビ放送が中心となって、2004年に始めました。
福団治さんは関西演芸協会の会長を務める上方落語界の大御所。人情噺や手話落語の第一人者として知られます。
芸歴は60年に迫り、「藪入り」「蜆売り」「百年目」「鼠穴」といった人情噺には多くのファンが魅了されています。
説明が遅れましたが、人情噺とは、笑いに重きを置くのではなく、親子の情や夫婦の情愛などにスポットをあてた、ストーリー性豊かな噺。人情が薄くなってきたといわれる近年、より注目を集めています。
上方落語家最古参の円熟の芸をじっくり楽しんでいただきたいと思っています。

実は、今回のイベントには「三重テレビ放送開局50周年記念」という冠がついています。
それにちなんで、ほかの出演者には「50」にまつわるキャッチフレーズが。
林家菊丸さんは、三重県での地域寄席の開催がことし50ヵ所を達成。桂二乗さんは、「50キロまでなら走れます」。(笑)
 そして桂文珍さんは、この秋に芸歴50周年を迎えます。実は、文治まつりにお越しいただいた皆さんに毎回アンケートをとっている中で「ぜひよんでほしい」というリクエストが最も多いのが文珍さんなのです。
 古典落語・創作落語双方で会場を爆笑に包む文珍さんの話芸にもぜひ触れてみて下さい。
 
 落語会「第16回文治まつり」は、10月6日(日)の午後1時から四日市市文化会館第一ホールで開催されます。
 入場料は、前売3700円、当日4000円で、詳しいことは三重テレビ放送事業部(電話059-223-3380)までお問い合わせください。


2019年6月6日木曜日

デスク席から(57)「こんな番組やってました」


開局50年となる今年度、三重テレビ放送では「アーカイブス傑作選」と題して、過去に放送したドキュメンタリーなどを再放送しています。
5回目の放送は6月7日(金)。午後7時55分から「命(ぬち)どぅ宝~命こそ宝 中学生が見た沖縄~」を放送します。
これは思い出深い番組で、私が初めて本格的に取り組んだドキュメンタリー。1997年、県内の公立中学として初めて沖縄修学旅行に取り組んだ伊賀町(当時)の柘植中学校の1年間を追った番組です。
糸数ガマやひめゆりの塔の見学、元ひめゆり学徒隊の女性からの聞き取り、沖縄の中学生との交流のほか、校内での事前学習や報告会、文化祭、卒業式など一連の活動を取材しています。
放送前に番組を確認していたのですが、若い時に制作しただけに、つくりが粗いなぁと感じましたが、現代でも伝わる部分も多くありました。
なお、登場する中学生もその後社会に出て様々なことを考え、今は当時の考えと変わっているかもしれませんが、21~22年前の気持ちとして受け取ってもらえればと思います。

番組のその後を少し…。
柘植中学校はその後も毎年沖縄への修学旅行を続け、沖縄の歴史や文化、命の大切さを学んでいます。
また元ひめゆり学徒隊の島袋淑子さんはその後、ひめゆり平和祈念資料館の館長に就任し、昨年まで務められました。
7日の放送では、1年半前にお目にかかった時のお写真も少し紹介します。

なお、三重テレビアーカイブス傑作選…次は7月7日(日)午後8時から「熊野古道(2014年)」を放送する予定です。
このほかに社会や文化、地域など様々なジャンルの番組の再放送を予定しています。

2019年5月20日月曜日

デスク席から(56)「語り継ぐ四日市公害」

 四日市公害…三重県と関係深いテーマであり、平素のニュースでは取材しているのですが、私が特集などを制作した経験は、あまり多くありません。
 ジャーナリストの大谷昭宏さんに出演頂いていた「おもいっきり〇ミエTV」(1996年)や、ニュースでの環境をテーマにした特集(2000年ほか)、それに昨年12月から公開しているYahoo!ニュース特集との共同取材などです。
 それらの取材の中で、公害の記録を続けた澤井余志郎さん、四日市公害訴訟の原告で唯一の生存者だった野田之一さん、愛する娘を喘息で亡くした谷田輝子さんらにお話をうかがいました。

 入社して28年、様々な取材をしてきましたが、腰を落ち着けてやらねば語ってくれた人に申し訳ない、と感じるテーマがあります。
 (私の中では)ハンセン病問題や四日市公害がそれにあたるのではないでしょうか。
 なかなかまとめて番組化することが出来なかったのですが、今月、それが実現することになりました。

 「こっこの空~語り継ぐ四日市公害~」と題したドキュメンタリーを5月29日(水)午後8時から放送します。
 三重県出身の漫画家・矢田恵梨子さんが公害をテーマに制作したマンガ「ソラノイト」を軸にしつつ、ことし1月に亡くなった野田さんの証言や、澤井さんの生前の活動、谷田さん親子のエピソードを紹介します。
 また現在の四日市や、これからの課題についても、少し目を向けたいと考えています。
 タイトルの「こっこ」とは、谷田さんの娘・尚子さんの愛称。
 女優の常盤貴子さんが、こっこになって語ってくれる部分も多くあります。

 放送は29日の夜8時から。現在、仕上げの作業中です。良い番組にしたいと思っていますので、ぜひご家族そろってご覧ください。
<野田さん>

2019年4月26日金曜日

デスク席から(55)「GWは三重テレビを!」


三重テレビ放送は、ことし開局50年を迎えます。それを記念した企画をいくつか紹介します。

まず「平成」をたっぷり振り返る番組から。
過去のニュース映像を“庫出し”しながら三重の31年をかけめぐる番組「映像で綴る三重の平成史」は、4月28日(日)午後10時~放送。(再放送は30日の正午~)
平成の時代に話題になったいくつかの場所をバスツアー形式で訪ねる企画も。
番組には、「Mieライブ」でお馴染みの三重中京大学名誉教授・浜谷英博さんや、お笑いタレント(なぞかけ)のねづっちさんも登場します!

 過去の映像といえば、こんな企画もお薦めしたいです。
「三重テレビ・アーカイブス傑作選」。過去に放送したドキュメンタリーを中心に再放送。放送日は「7」のつく日を中心に、年間約20回。
 中学生の沖縄修学旅行、防災、伊勢神宮、熊野古道、斎王、三重の偉人、地域医療、公害…。
 初回放送は5月7日(火)午後8時からで、三重県出身のハンセン病回復者の帰郷事業の半世紀を追った「さとがえり」(坂田記念ジャーナリズム賞受賞)を放送します。
 また5月は、伊勢志摩サミットから3年。サミットを題材にした「輝きの先に」を23日に、「明日への手紙~ジュニアサミットin三重~」を24日にご覧いただきます。(時間は、いずれも午後7時55分~)

そして、平成から令和にかけての「Mieライブ」は、19時25分までの拡大版。
30日は、前三重県知事の野呂昭彦さんにコメンテーターとして出演いただき「平成」について振り返ってもらうほか、1日は、ジャーナリストの大谷昭宏さんらが「令和」の時代を展望。ぜひご覧ください!

2019年4月1日月曜日

デスク席から(54)「新しい時代に」

いま、新元号「令和」発表のニュース枠(1149分~)の放送を終えたところです。
新しい時代が始まる2019年春、三重テレビ放送も、新しいステージに入ります。
 開局50年。これを機に新しい番組がスタートするんです。

 まず「Mieライブ」。(月曜~金曜の17時40分~)
夕方のニュースと情報系を一本化しパワーアップした番組で、三重テレビの若手精鋭アナウンサー3人がキャスターを務めます。
 観光やグルメ、社会、スポーツ、健康、市町情報などをテーマに据え、“オール三重”で取り組む企画です。
新しいスタジオや、簡単にできる料理コーナーも見どころのひとつ。
 番組では、大谷昭宏さん、田中里沙さんら三重ゆかりの方がコメンテーターを務めてくれます。


 そして、2013年から続く大型シリーズ。
これまで熊野古道、斎王、比叡山の祈り、刀…様々なテーマで取り組んできましたが、今年度は、原点に返って「お伊勢参り」。
 神宮や125社の様々な表情、式年遷宮の歴史、神宮のおまつりなどを、西川流四世家元の西川千雅さんがナビゲート。そして、野沢雅子さんがナレーターを務めてくれます。
まさに、新しい時代に観ていただきたい、感じていただきたい…そんな番組です。放送は、毎月第4土曜日の午後9時~。(再放送は翌月第1土曜)


長寿番組「ええじゃないか。」も大幅にリニューアル!
新しい出演者に、名張市出身で「みえの国観光大使」を務めるチャンカワイさんと、津市出身の女優、松島史奈さんを迎え、「ふれあいたっぷり旅」という趣向でお送りします。
今年度は4月1日(月)放送の「伊勢市」の回からスタートです。(再放送は6日の正午~)


また、4月7日(日)には、「Mieライブ選挙速報」(午後7時54分~)と題して、三重県知事選挙と三重県議会議員選挙の開票速報を3部構成で詳しくお伝えするほか、四日市公害と環境問題をテーマにしたドキュメンタリーも制作、5月に放送予定です。

 50歳の“円熟期”を迎える三重テレビの、味わい深い番組に、ご期待下さい。

2019年1月31日木曜日

デスク席から(53)「元原告が残したメッセージ」

「わかってほしいから言うとるんです。俺もあと長く生きとれやへんで(生きることはできないから)生きている間だけでもわかってもらえたらな、と」「公害が悪かったという理屈をわかってくれたらと思うから、その気持ちがあって喋ってる」

四日市公害訴訟の元原告で、晩年まで語り部活動を続けた野田之一さんの言葉です。
Yahoo!ニュース特集班と共同で取材させてもらったのが昨年の8月。
大変暑い日でしたが、しっかりと話して下さいました。
その野田さんが1月25日、気管支ぜんそくのため、87歳で逝去されました。
まさか取材から半年もたたないうちにお亡くなりになるとは…。

私が初めて野田さんを取材させてもらったのは、1996年の夏。
四日市市が主催した環境に関する催しに、初めて元原告が招かれた時でした。
この時、野田さんは「“ありがとう”と言えるのは6割くらい」と語りました。
「ありがとう」という言葉には、こんな背景があります。
実は野田さんは、1972年に四日市公害訴訟に勝訴した時、「四日市に青い空が戻った時に“ありがとう”と言いたい」と話していたのです。
1996年には「6割くらい」と話していた野田さんですが、昨年インタビューした時には、少し変わっていました。
「いま思うと、あの時(1972年)に俺は大きなことを言うたかもわからんけども、“ありがとう”と言うのは、俺が言うんじゃなくて、世間の人が“ありがとう”と思ってくれれば、それでええ。公害で一生懸命やったけど良かったなと、ひとりでも思ってくれたら、それでええ。それでもうたくさん」

野田さんが残した“遺言”ともいえるメッセージを受け止め、青い空を守っていく責任があると感じました。
ご冥福をお祈りいたします。

※三重テレビ放送とYahoo!ニュース 特集の共同企画「四日市ぜんそくを語り次ぐ人々」は、以下からご覧いただけます。
https://news.yahoo.co.jp/feature/1171

2019年1月16日水曜日

ヘルプマークを知っていますか?


2019年が始まりました。

三重テレビニュースウィズでは、様々な分野で活躍している人たちの、2019年、今年にかける思いを伺い、放送させていただきました。

その中の一人、三重県のヘルプマーク普及大使として活動している小﨑麻莉絵さん。
ヘルプマークは、外見からは分かりづらい身体の内部の病気や障がいなどを抱える人たちが、周囲に支援や配慮が必要なことを知らせるマークです。
 
小﨑さん自身も血液が正常に作られなくなる骨髄異形成症候群という病と闘っています。現在、35歳の小﨑さんは、余命5年の宣告を受け、今年の8月、その余命宣告から5年を迎えます。小﨑さんは今年を「自分の中のメドをこえる年」と位置付け、「人生の中で出会う人たちを大切に、6年目、7年目を迎えていきたい」と話します。
 
そして、ヘルプマークの普及にさらに力を入れていきたいと話す小﨑さんはヘルプマークについて、こう語ります。「このマークは、助けてもらう方と助ける方の両方の思いが優しくて初めて成立する。助けてもらって当たり前でもいけないし、助ける方も手助けが誰かの幸せに繋がっていると思って、優しい気持ちで助けてほしい」と。

三重テレビでは、小﨑さんや、ヘルプマークを身につけている県民のみなさんの協力のもと、ヘルプマーク啓発のためのCMを制作しました。

1月9日から、三重テレビの中で随時、放送しています。一人でも多くの方に、ヘルプマークを知っていただけるきっかけになれば嬉しいです。


このマークをきっかけに、思いやりや優しさにあふれた社会になりますように。