2018年6月13日水曜日

小学生時代の記憶


私は、小学生時代のあらゆることを、やけに鮮明に覚えています。ハンドベースをする時のチーム決めの取り合いっこでだいたい真ん中ぐらいで選ばれていただとか、「お前あの子が好きなんやろ~」と友達をからかい続けたら大げんかになっただとか、学校からの帰り道はずっと塾をさぼる理由を考えていただとか… 小学校の取材を続けている時に、ふとそんなことを思い出し、まわりの人たちに話すと、「そうそう、私も結構覚えている」という反応が返ってきました。

そんな小学生時代に、地元の歴史や文化に触れることは、後々の愛着につながる大切な教育だと今回の取材で感じました。先月30日に放送した番組『まなび舎』では、志摩市阿児町にあった安乗小学校の閉校とそこにある伝統芸能「安乗の人形芝居」を中心に取り上げ、地元と学校の結びつきについて表現しました。地域の中心にいつもあった学校が無くなる。そのことの重大さを、地元の人たちの表情や言葉の端々から感じ取っていただけていれば幸いです。

今後は、少子高齢化の加速に伴い、ますます学校の数は減っていくことが予想されます。これからもこのテーマの取材を続け、学校の消滅という地域衰退への第一歩を踏み出してしまった地域の人たちが、そこにどのように抗っていくのかを見つめていきたいと思っています。

2018年5月30日水曜日

デスク席から(45)「この場所を照らすメロディ」

ハンセン病と三重県の関係を長年取材してきた関係で、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)に、年に数回行かせて頂きます。
 毎回様々なテーマで企画展を開催されていますが、今回のテーマは「この場所を照らすメロディ」。(7月31日まで開催)
 全国のハンセン病療養所で行われていた音楽活動がテーマです。長島愛生園(岡山県)の青い鳥楽団、松丘保養園(青森県)の楓音楽クラブ、星塚敬愛園(鹿児島県)のブルースカイ楽団など、各療養所には、楽団や音楽サークルがありました。
 目が見えない入所者も多かったことから、ある人は点字の楽譜を舌読し、ある人は不自由な手で楽器と向かい合いました。そして、園内外で演奏活動を行ったのです。
 企画展の会場では、かつての写真や映像を見ることができるほか、実際に使われた楽器の数々も展示されています。バイオリン、マンドリン、ギター、サックス、ハーモニカ…。入所者は、身体の状態に合わせた楽器を選んだようです。
 また会場には、「青い鳥行進曲」など青い鳥楽団の(かつての)演奏が流れていましたが、様々な背景を知った上で聞くと、感じるものが違います。




 
 ところで、資料館は常設展も充実していて、ハンセン病に関する歴史や、元患者の闘いの足跡、現在も残る課題などが展示されています。

 久しぶりに常設展の会場に入った私は、最後の部屋で足がとまりました。それは「取り戻せていないもの」と題がつけられたガラスケースで、中には、4つのワードのみが展示されていました。
 それは……「社会との共生」「家族との絆」「入所前の生活」「人生の選択肢」。
文字だけのシンプル展示ゆえ、より心に響きました。
 国立ハンセン病資料館…ぜひ足を運んでみて下さい。西武池袋線・清瀬駅からバスで約10分。月曜日が原則休館です。

 なお、三重テレビ放送では、Yahoo!ニュース特集と共同で、ハンセン病に関する特集の配信を行っています。ぜひご覧ください。

2018年5月14日月曜日

デスク席から(44)「今月も注目を」

三重テレビ放送ではいま、いくつかのドキュメンタリーを制作しています。

 まず小さな種が芽を出すとき~地域医療にかける若き医師~。過疎が進む紀南地域で医療活動を続ける医師にスポットをあて、取材・編集に奮闘しています。若き医師はどうして過疎地の医療に力を尽くすのか?昨年から取材してきた内容を55分にまとめました。5月28日(月)午後8時から放送です。 



 「学校」を追った番組も。三重テレビニュースウィズでは、児童数の減少により3月で閉校になった志摩市の安乗小学校を特集で取材してきました。番組では、昨年秋からの安乗地区の表情をお伝えするほか、かつて地域から学校が消えた県内外の自治体のその後も取材し、学校がなくなった後に地域が生き残る姿を展望します。まなび舎は、5月30日(水)午後8時から放送です。
いずれも、若手ディレクター渾身の作。

 また、年始に放送し好評をいただいた「行者のみち~比叡山千日回峰行者の祈り~」5月24日(木)の午後10時15分から再放送が決定。大変な修行を続ける行者に長期間密着した貴重な映像に注目を。語りは松平健さんです。

 そして、夏の高校野球が100回大会迎えることを記念し制作した「HEROES~あの夏、僕らは白球を追いかけた~」5月19日(土)正午から再放送!県大会の決勝を中心に、過去の熱戦の映像をご覧いただけるほか、三重テレビの高校野球中継を盛り上げてくれた方々も出演。

 そして、これは放送ではありませんが、私が2001年から取材してきたハンセン病問題。2月にYahoo!の記者・カメラマンの方と、岡山県にある国立ハンセン病療養所・長島愛生園を訪ねました。入所者自治会長の中尾伸治さんや、主任学芸員の田村朋久さんのインタビューを中心に、差別の過去と、将来への展望をまとめています。「Yahoo!ニュース特集」…ぜひご覧ください。


(撮影:後藤勝さん)

今月も、三重テレビ放送がお送りする番組やコンテンツにご期待ください!

2018年4月17日火曜日

新たなスタート~開校を迎えて~

 今月6日、志摩市に新しい小学校が誕生しました。志摩市立東海小学校。志摩市阿児町にあった5つの小学校が閉校となり、そこの子どもたちが新学期から通う小学校です。

 全国的に少子化が叫ばれていますが、三重県も例外ではなく、児童数は10年前から約1割減少し、多くの小学校が統廃合されています。

 子どもたちの成長を願う思いは、地元の小学校の存続を願う住民も、学校の再編計画を進める行政側も同じですが、新小学校の開校と、歴史ある地元の小学校の閉校に対する人々の思いは、それぞれ違っています。

 新たな小学校の開校式を迎えた人々の思い、そしてこの先も県内各地で起こるであろう学校の統廃合の現実とは。今年度県内でただ1つの新設校である東海小学校の開校式を取材しました。

 この模様は、4/17(火)17:40~、21:55~「三重テレビニュースウィズ」内で放送します。

なお、三重テレビでは三重県全体に目を向け、地域における学校の役割について考える特別番組「まなびや~学校がつなぐ地域の物語~(仮)」を
5月30日(水)午後8時~放送します。
ぜひご覧ください。

2018年4月4日水曜日

デスク席から(43)「海外の方もご覧ください!」

2001年から、ハンセン病療養所で暮らす三重県出身の方々を取材してきました。
様々なテーマがありました。三重県庁の元ハンセン病担当官と入所者の絆、ハンセン病回復者の63年ぶりの帰郷、戦争に翻弄された病、県主催の「里帰り事業」の半世紀。
そして、療養所で暮らす皆さんの日常や素朴な声を届けたいと制作した番組が「大ちゃんと為さん」でした。(2016年12月に初回放送)
長島愛生園(岡山県)で暮らす吉田大作さんと川北為俊さん、それに邑久光明園(同)の松田さんご夫妻(仮名)にスポットをあて、偏見の解消を訴えた番組です。
この番組を、NHKさんの国際放送(ワールドTV)で放送して頂くことになりました。
日本時間で、4月15日(日)の8時10分~/14時10分~/19時10分~などの時間にOAされます。http://www.mietv.com/information/3100.html
ナレーションも字幕スーパーも英語で、NHKワールドTVのホームページでライブストリーミング配信されるほか、一部のケーブルテレビでも視聴が可能です。
(大きなニュースが入ってきた場合は変更の可能性があります)
私も完成版はまだ見ていないのですが、どんな雰囲気になっているのか、楽しみです。
ハンセン病に関して、日本では新たな患者の発生はほとんどありませんが、まだまだ病気に対する偏見は残っています。一方、世界では多くの患者が苦しい生活を余儀なくされているケースもあります。
様々な国・地域の皆さんにご覧いただければ嬉しいです。


【収容桟橋説明】


【長島愛生園(岡山県瀬戸内市)】

2018年3月12日月曜日

デスク席から(42)もっと身近に

三重テレビ放送では、皆さんの協力を得て、日々様々なニュースを取材しています。
かつては1日3回(土日は2回)のニュース枠で放送するだけでしたが、その後、ホームページやデータ放送でも読んで頂けるようになりました。
昨年からはLINEでのニュース配信を始め(月・水・金の週3回)、今年1月からはYahoo!でもご覧頂けるようになりました。
一部、動画も配信しています。
三重県の方はもちろん、三重出身の方や三重の話題に興味をお持ちの皆さんにもチェックしてもらえればと思っています。

こういった形で三重テレビからの情報発信を進めてゆきますが、皆さんからもお寄せいただきたいものがあります。
昨年末から「スクープ投稿」をスタートさせました。
事故や災害の現場に遭遇された際、お持ちのカメラやスマホで撮影してもらった映像や写真のほか、見頃を迎える花のスポット、地域の催し、ちょっといい話題などを紹介させていただきたいのです。
必ず紹介させてもらうという約束ができないのが心苦しいところですが、デスクと担当者で拝見しOAに至ることも少なくないので「こんな映像撮れたよ」「これを見てほしいな」というものがあれば、どんどん投稿下さい。

皆さんとの距離を、少しずつ縮めてゆきたいと思っています。

2018年1月25日木曜日

間崎島で巡回診療始まる

「風邪をひいて気持ち悪くても、船に乗って、薬もらいに島外に行かなければならない。足が悪いから大変」。そう話すのは、英虞湾に浮かぶ志摩市の間崎島に住む女性です。
人口約80人、65歳以上の高齢者が約75%を占める間崎島には医療機関がありません。


<間崎島>

島で定期的に医師にかかりたいという、島民からの要望を受けて、三重県は臨時の診療所を開く「巡回診療」を始めました。巡回診療は県立志摩病院の医師たちと、これまで月に1回、訪問診療を行ってきた開業医が担当し、島民とっては月に2回、定期的に診察を受けられることになりました。


<巡回診療が行われる施設>

島民からは、喜びの声が聞かれた一方で、離島ならではの課題もみえました。医師たちは、定期船で間崎島に入るため、運べる荷物が限られ、当面の間は、診察の翌日に、志摩病院のスタッフが、再度、島を訪れて薬を届けることになります。
そして、一番の課題は、緊急時。急患が出た場合、間崎島では、島民が船を出すか、ドクターヘリが出動することになりますが、夜間や、天候が悪いときは対応が難しいのが現状です。

「一人暮らしなので何かあったときにどうしようかな…」「夜、急病人が出た場合が心配。常駐の医師が島にいてくれたらありがたい」と島民たちからは不安の声も聞かれました。

三重県は、人口10万人当たりの医師の数が、全国で36位など、医療従事者の数が不足しています。また、各地域で人口減少や、過疎化、高齢化が進む中で、どのようにその地域の医療を担保していくか。長年、地域医療に携わってきた南部地域で働く医師は、いま、需要と供給のバランスを踏まえ、「各地域に合った医療の在り方」を考える転換期にきていると話します。

今後も、地域医療の在り方、そして、その地域の医療を懸命に担っている医療従事者たちを継続して取材していきたいと思います。