2019年9月3日火曜日

デスク席から(59)「行ってみませんか?岡山へ」


皆さんは、夏休みをどのように過ごされたでしょうか。
このブログのタイトルを見て観光を連想された方がいたかもわかりませんが、今回のテーマはちょっと違います。

ハンセン病問題を、2002年から細々とではありますが、取材してきました。県庁の元ハンセン病担当官と療養所入所者の絆、三重県出身のハンセン病回復者の63年ぶりの帰郷、戦争とハンセン病の関係、行政主催の「里帰り事業」…。
取材の中で、回復者(療養所入所者)の皆さんは、勇気を出してつらい経験を話してくれました。
「療養所へ収容される時はリヤカーで」「ハンセン病と診断されたら家が真っ白になるまで消毒された」「3人の娘を置いて来るのはつらかった」「差別というものは人間だけがするもの」…しぼり出された言葉から、たくさんのことを学ばされました。
多くの苦しみを乗り越えてこられた皆さんには「強さ」「深さ」「大きさ」…そんなものを感じ、何度も車を走らせました。私がおもに取材に向かった先は、岡山県瀬戸内市の国立ハンセン病療養所・長島愛生園と邑久光明園。岡山、特に瀬戸内市は、私の“第二の故郷”といっても過言ではありません。

しかし取材を重ねる中で、寂しい変化もありました。
かつては、療養所から県外へ出て講演される方が少なからずおられました。三重県でも伊賀や津、松阪、鈴鹿などで回復者の講演会が開かれましたし、それを聞いた多くの県民が感動を覚えたことと思います。
しかし、入所者の方は高齢化が進み(国立療養所入所者の平均年齢は86歳)、他界される方も目立ってきました。三重県出身者もその例外ではなく、寂しい限りです。
三重県でハンセン病回復者のサポートを行っている方が、以前こんなことをおっしゃっていました。「これからは入所者が帰郷するのは難しくなるため三重から訪ねていくことが必要でしょう」と。
そんな事業が行われることになりました。「ハンセン病療養所フィールドワーク」です。岡山県のふたつの療養所をバスで訪ねて隔離政策の歴史を学び、入所者と交流しようという企画です。10月19日(土)に実施されます。(定員は30人/参加費無料)
ハンセン病問題について学びたい方、三重県出身の大先輩の話を聞きたい方…ぜひこの要項をご覧ください。


  ※三重県、ハンセン病問題を共に考える会・みえ、三重テレビ放送が、
  ふれあい福祉協会の助成を受けて実施します。応募多数の場合は抽選となります。



2つの国立ハンセン病療養所がある
            岡山県の長島