2020年1月28日火曜日

デスク席から(63)「きざむものは…」


その日は、人気番組「クイズふるさと便」収録の日でした。ところが、関西から来るはずの落語家さんが来られなくなったのです。「親が亡くなったという情報が入ってきた」という電話をもらい、代役を手配したのを覚えています。その日は、1995年1月17日でした。あれからもう25年。


今月17日、神戸市の公園・東遊園地で開かれた「阪神淡路大震災追悼の集い」に初めて参加しました。下見も兼ねて前日から会場に行ったのですが、あんなに大勢のボランティアの人たちが準備に関わっていることに驚きました。そして当日の早朝。多くの人たちが、様々な文字が書かれた竹筒に火を灯していました。こんなに多くの人が被災されたのか…改めて感じました。

追悼の場で皆さんにうかがった体験です。
ある女性は「母が被災しましたが、行方不明のまま。何と言ったらいいかわからない」と語りました。
別の女性は「この地震が大きな震災の始まりだった」と振り返り、「当時は何もできなかったけど、もっとできることがあったんじゃないかという反省も込めて毎年来ています」。
そして「高校生の娘が来たいというので初めて来ました」という男性の姿も。「娘には、被災した人たちに思いを寄せ、防災や神戸の発展に力を尽くしてほしい」。
当日、竹灯りで浮かび上がった文字は「きざむ」。
何人かのお話をうかがって、刻むのは、悲しみや苦しみだけでなく、勇気や感謝、決意…そんなものも含まれるのではないかと感じた早朝でした。

この特集は、2月5日(水)のMieライブの「月刊大谷ジャーナル」のコーナーで、大谷昭宏さんの解説を交えてお伝えします。http://www.mietv.com/mielive/