2020年1月31日金曜日

聖火リレーにかける思い

あけましておめでとうございます。
「オリンピック・パラリンピックが東京で開催」と決まった時には
まだずっと先、未来の話だと思っていた2020年がついに始まり、
もう1月が終わってしまうことに驚いています。

調べてみると開催が決まり「お・も・て・な・し」が流行したのは
7年前の2013年。当時私は高校生でした。
そこからたくさんの方が準備をされてきたと思うと、いよいよという感じがしますね!

そんな東京オリンピック・パラリンピックですが、
三重県内でも今年4月8日、9日に聖火リレーが行われます。
チケットを取って会場で試合を観戦するのは難しくても、
地元の聖火リレーで大会の空気が感じられるというのは楽しみですね!


私は今回、公募によって選ばれた聖火ランナー
四日市市出身の青木健太さんを取材させていただきました。
青木さんは、四日市市出身の25歳。
普段は電動車いすを使って生活していて、
聖火リレーも電動車いすを使って走ります。



「県の人から電話がかかってきて
 『聖火ランナーに内定しました』みたいな感じ、
 『え、僕がですか』って感じ、びっくり。」
「あ、通っちゃったんだと思って、すごいびっくりしました。
 あんまり言ってなかったんですけど、おめでとう!みたいな感じでラインきて、
 ありがとうございますって感じ。」

青木さんは3年ほど前から自宅でパソコンを使って
会社のホームページの更新などの仕事をしていて、
去年からは市内で一人暮らしを始めました。

小さいころから活発で運動神経が良かった青木さん。
小学2年生から柔道をはじめ、中学生の時には県大会で優勝。
高校時代は全国大会での優勝を目標に練習に励んでいました。
そんな青木さんに高校2年生の秋、柔道の練習中に脊椎を損傷、
現在も首から下に麻痺が残る大けがを負いました。

「ちょっとしたら治るのかなと思っていた部分が大きくて、
 治らなくて、だんだん、あれ、これ結構重いケガしたのかもって、
 自分で自分の障がい名を調べたり、こんなに重い障害を負ったんだ自分はって。」

怪我で目標を失い、自分の状態を受け入れられるようになるまでには
引きこもりがちになった時期もありました。

「やっぱこうなった自分を見られたくないっていうのがあったから、
 出かけたくないし、変に近い人とは会いたくない。」
「友達が就職していって、仕事してる姿とか見ると、
 やっぱ同じように進んでた、人生歩んでた友達、
 ちょっと差をつけられた感じがあって、
 自分はもっとマイナスになったっていうか、
 できないことがいっぱいになっちゃったし、
 友達はもっとできることが増えていく、
 その差を感じてちょっと辛い時がありました。」

周りが就職したことに刺激を受けた青木さんは、
自身も就職活動をはじめ、今の仕事と出会います。
そして、もう一つ、青木さんを変えたものがありました。

「一球で勝負が変わるっていうか、大逆転があるっていうか、
 ボッチャっていうのは僕みたいな重度障がい者でもできる、
 そういうところが魅力かな。」

同じ障がいをもつ知人に誘われて始めたボッチャです。
ボッチャはそれぞれの障がいに合わせたボールの投げ方をしたり、
競技アシスタントと一緒に試合を行うことで、
障がいの有無に関わらず、誰もが楽しめるスポーツです。

「社交的になったかな、まぁちょっとふさぎ込んでた
 自分がいたっていうのはありましたし、
 障がい者でも頑張っている人ってたくさんいるんだって、
 自分だけじゃないこんなに悩んでいる人はっていうのを知れて
 自分も頑張ろうっていうふうに思った。」

「負けて悔しいっていうことが、障がい者になってなかったことなので、
 負けて悔しいから次に向けて努力する。」

将来はパラリンピックを目標としている青木さん。

青木さんは、ボッチャの競技アシスタントで、
入浴の支援をしてもらっている「パートナー」の
加藤亮太さんと一緒に聖火ランナーを務めます。

「なくてはならないパートナーという感じ。
 加藤くんという存在が見つかったから、今あるかなと思います。」

人に見られるのが嫌で家にこもりがちになった時期もあった青木さん。
この春、大きな注目を集める聖火リレーにはこんな思いをこめて挑みます。

「僕を支えてもらっている方全員に
 ありがとうっていう思いをこめて走りたいと思っているので
 いろんな人に見てもらって、おめでとうって言ってもらえたらいいなって思います。
 僕が走ることによって勇気づけられたり
 元気になったりする方がいればいいなと思うので、
 一生懸命走りたいと思います。」



青木さんを取材させていただいて、その前向きな姿と、
ボッチャを楽しむ様子に、私自身がとても元気をいただき、
なんとしても青木さんの魅力を伝えなければ!という思いで
取り組ませていただきました。

まだ誰がどの道を走るのかは発表されていませんが、
4月に青木さんと加藤さんの走る姿を見せていただくのがとても楽しみです。